三つ豆ファーム

豆を播くときは三粒ずつ播け。

    一つは、土の中の虫たちのために。    一つは、空を飛ぶ鳥たちのために。     そしてもう一つを、我々人のために。


2013年11月8日金曜日

「科学」に対する認識の違い。

有機農業業界にいると、科学に対する隔たった認識に触れることがよくあります。

人間的に尊敬できる方々がこぞって科学に対する憎しみににも似た物言いをするのを聞くにつれ、一時は科学者を志した私としてはなんとも悲しい気持ちになります。

科学は万能ではありませんが、はなから疑ってかかるほど不誠実なものではないことを知ってもらいたいです。

森羅万象の中に、法則性を見出して、だれでも理解できる数式や、文字にして表す。

このことに世界中の科学者が、それこそ人生をかけて、命を削るような努力をした数百年の積み重ねが今日の科学です。
ですから科学的根拠に異議を唱えるならそれなりの根拠を示さなくてはいけないと思います。

科学的根拠を述べるその人自身を疑ってかかる人もいます。科学者も人間ですから、いい人もいいれば、嫌な奴もいるでしょう。実験結果をねつ造する姑息な奴もたまにいたりします。ですが、ほとんどの科学者はまじめだし、ねつ造した結果は世界中の科学者の目にさらされ、再実験され、すぐに白昼の元ににさらされます。



放射能の問題にしても、農薬の問題にしても、それ自体についての科学的知識、それらが人体に影響を与えるメカニズムについての知識なしに、危険性を論じる方がいますが、それはとても危険なことだし、それこそ不誠実だと思います。


世の中には科学で説明つかないことがまだまだ多いし、すべてが科学で説明できるようになるとは思いません。こんなこと言ってる私も科学で説明できない領域の話が大好きです。実は有機農業の面白さの一部はそのあたりにあるとも感じています。

科学的な土台をしっかり理解したうえで、それをふまえたうえで有機農業の面白さ、食の大切さ、おいしさを伝えていければと思います。