「遺伝子組み換え作物を食べても何の害もありませんよ」
というとすごく驚かれます。白い目で見られることもしばしばあります。
初めに言っておきますが、私は遺伝子組み換えは好きではありません。
自然界でおこるランダムな組み換えにゆだねて、ゆるりと遺伝子が変異し、生き物が進化していくのに任せる方が好きです。
「人間も宇宙の一部だから、人為的な遺伝子組み換えも自然の流れの中でしょ」
と言われれば、それもそうだなと思いますが、好きじゃないものは好きじゃないです。
「カンブリア紀のように自然の流れの中で、ものすごい速度で遺伝子に変異が生じ、多様な種が爆発的に生まれた時期もあるじゃない」
と言われれば、それもそうだよねと思いますが、好きなじゃないんだもの。
さて、遺伝子とはなんでしょうか。遺伝子とはDNAが意味をもって配列しているものです。そしてDNAとはアデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、シトシン(C)という4種類の核酸塩基からなります。
ですので、遺伝子の配列が多少組変わろうが、もともとの組成が同じATGCなので、食べて消化してしまえば、各種アミノ酸になります。
組み替えた遺伝子の由来のアミノ酸も、通常の遺伝子のアミノ酸も、同じです。差異はありません。
なので、遺伝子組み換え作物を否定するとき、食べたときの害を叫ぶことはお門違いなのです。
私も遺伝子組み換えは嫌いだから、なるべくやらないでほしいですけど、科学の進歩に人が自ら歯止めをかけられる気が全くしないので、半ばあきらめています。「知らないものを知りたい!」というのは人間の性で、森から草原へ降り立った原始人から受け継ぐ性質だと思います。
生命の源に人為的に手を入れる
のは気持ち悪い!倫理的にいやだーー!
ってのは反対の理由にはぼやっとしていて弱い気がする。
体に悪いからやめろーー!!
のほうがキリッとしていて力強いけど、根拠がないからなぁ。