三つ豆ファーム

豆を播くときは三粒ずつ播け。

    一つは、土の中の虫たちのために。    一つは、空を飛ぶ鳥たちのために。     そしてもう一つを、我々人のために。


2013年11月27日水曜日

盛りだくさんの一週間をご紹介

先週の金曜日に三つ豆ファームに初の外国人ウーファーがやって来ました。
彼女の名前はヘザーちゃん。通称ヘザッチ。カナダはバンクーバーの大学4年生で、有畜複合型の有機農業を学んでいます。将来は仲間と農場を経営するのが目標だそうです。


山武市役所でお役所マルシェをやっている仲間、チームちかばの仲間の一人、ミノワライスフィールドのミノワ夫妻の紹介で彼女はやって来ました。
この日は ”ちかば”の忘年会の日。それに合わせてヘザッチのウェルカム千葉パーティーをした様子の写真です。

 日曜日の朝の成東朝市にはヘザッチもわが子と参加。子供たちの自由な動きに翻弄されていましたが大丈夫だったかな?
モーニングホットチョコレートで一服の写真。



でもって、朝市終わったらすぐさま「麦のわ」の第四回種まき。
今年からフィールドを成田から私の家から歩いて行ける山武市沖渡の畑に移しての開催。
過去2年失敗している麦作り。これで言い訳のしようがなくなりました。今年こそ、今年こそ!


子供がたくさんのイベントって好きです。
彼らは未来そのものですから、見てるだけでわくわくしてくる。
大人の数より子供の数の方が多いんじゃないか?



 そして肩の荷第一弾。ソラマメ定植!&被覆(薄い不織布で覆います)。


今年は苗づくりをしてみました。前向きにしたような言い方ですが、畑の準備が間に合わず、直播ができなかっただけ、直播⇒おい苗⇒被覆が楽に決まってます。


 昨年、年始の大風ではがされまくった被覆資材。
今年はサンバファーム松下さんにこれを借りて溝を切ってから被覆資材をかけました。
こいつはさく切りといって簡単に溝をきる(さくる。といいます)道具。
つかった感じとしては、私の畑のように作物や、草の残差や根っこが残っている畑ではすんなりとはいかないなというところ。きれいに耕したあとならもっと楽に掘れたのかな。


このように、不織布の裾を溝の中に落とし込むことによってかなりはがされづらくなります。
仮止めしたまま一昨日の大風にあててしまいましたが、6本中1本だけが半分はがされていただけでした。
溝きり効果がさっそく発揮されてます。


 そして肩の荷第二弾。春キャベツの定植。
ソラマメにしても、春キャベツにしても、畑ではすでに春の仕込みが始まっています。
彼らは厳しい冬の間、まったく成長しないように見えますが、土の中の根っこは着実に成長していて、3月ごろ、春を感じるとともに一気に成長していきます。
そのダイナミックな動きには毎年感動させられます。「春だぞーー!!」って感じ。
5月の春キャベツをお楽しみに!!

2013年11月22日金曜日

遺伝子組み換え作物について

「遺伝子組み換え作物を食べても何の害もありませんよ」

というとすごく驚かれます。白い目で見られることもしばしばあります。

初めに言っておきますが、私は遺伝子組み換えは好きではありません。
自然界でおこるランダムな組み換えにゆだねて、ゆるりと遺伝子が変異し、生き物が進化していくのに任せる方が好きです。

「人間も宇宙の一部だから、人為的な遺伝子組み換えも自然の流れの中でしょ」
と言われれば、それもそうだなと思いますが、好きじゃないものは好きじゃないです。

「カンブリア紀のように自然の流れの中で、ものすごい速度で遺伝子に変異が生じ、多様な種が爆発的に生まれた時期もあるじゃない」
と言われれば、それもそうだよねと思いますが、好きなじゃないんだもの。



さて、遺伝子とはなんでしょうか。遺伝子とはDNAが意味をもって配列しているものです。そしてDNAとはアデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、シトシン(C)という4種類の核酸塩基からなります。



ですので、遺伝子の配列が多少組変わろうが、もともとの組成が同じATGCなので、食べて消化してしまえば、各種アミノ酸になります。

組み替えた遺伝子の由来のアミノ酸も、通常の遺伝子のアミノ酸も、同じです。差異はありません。



なので、遺伝子組み換え作物を否定するとき、食べたときの害を叫ぶことはお門違いなのです。

私も遺伝子組み換えは嫌いだから、なるべくやらないでほしいですけど、科学の進歩に人が自ら歯止めをかけられる気が全くしないので、半ばあきらめています。「知らないものを知りたい!」というのは人間の性で、森から草原へ降り立った原始人から受け継ぐ性質だと思います。


生命の源に人為的に手を入れる

のは気持ち悪い!倫理的にいやだーー!
ってのは反対の理由にはぼやっとしていて弱い気がする。

体に悪いからやめろーー!!
のほうがキリッとしていて力強いけど、根拠がないからなぁ。










2013年11月8日金曜日

「科学」に対する認識の違い。

有機農業業界にいると、科学に対する隔たった認識に触れることがよくあります。

人間的に尊敬できる方々がこぞって科学に対する憎しみににも似た物言いをするのを聞くにつれ、一時は科学者を志した私としてはなんとも悲しい気持ちになります。

科学は万能ではありませんが、はなから疑ってかかるほど不誠実なものではないことを知ってもらいたいです。

森羅万象の中に、法則性を見出して、だれでも理解できる数式や、文字にして表す。

このことに世界中の科学者が、それこそ人生をかけて、命を削るような努力をした数百年の積み重ねが今日の科学です。
ですから科学的根拠に異議を唱えるならそれなりの根拠を示さなくてはいけないと思います。

科学的根拠を述べるその人自身を疑ってかかる人もいます。科学者も人間ですから、いい人もいいれば、嫌な奴もいるでしょう。実験結果をねつ造する姑息な奴もたまにいたりします。ですが、ほとんどの科学者はまじめだし、ねつ造した結果は世界中の科学者の目にさらされ、再実験され、すぐに白昼の元ににさらされます。



放射能の問題にしても、農薬の問題にしても、それ自体についての科学的知識、それらが人体に影響を与えるメカニズムについての知識なしに、危険性を論じる方がいますが、それはとても危険なことだし、それこそ不誠実だと思います。


世の中には科学で説明つかないことがまだまだ多いし、すべてが科学で説明できるようになるとは思いません。こんなこと言ってる私も科学で説明できない領域の話が大好きです。実は有機農業の面白さの一部はそのあたりにあるとも感じています。

科学的な土台をしっかり理解したうえで、それをふまえたうえで有機農業の面白さ、食の大切さ、おいしさを伝えていければと思います。





2013年11月2日土曜日

小規模農家の生きる道は

三つ豆ファーム。自称小規模農家です。

いったい何ヘクタール以下が、従業員何人以下が、売り上げ何万円以下が、小規模農家と言われるかはよくわかりませんが、自称小規模農家です。

ひとまず、自分の目の届く範囲の経営規模というあいまいな表現にしておきますか。


実は、ここ2年くらいは今後の三つ豆ファームの経営スタイルをどうするのか定まらない日々です。
ビシッと筋の通ったビジョンを打ち立てたいと思いつつも、時代の流れに乗っかってフワフワ行くことをビシッと決めちゃうかなんて考えたり。

そんな具合ですから。とにかく隣の芝生が青すぎて困る。
先輩農家のブログやフェイスブックの情報によだれをたらし、後輩農家の着実な成長にソワソワして見たりしています。

一週まわって着地するところは決まって、「今やれることをしっかりやる」なんですけどね。


戦略的に人生を設計できる人に憧れます。
でも、私にはとてもできそうもないし、おそらくやっていて楽しくないと思う。

生き生きとした、生命力みなぎる野菜をつくる。
農の周りにある楽しみを共有する。
自然のはたらきを利用して環境負荷の少ない農業をする。

この理念を腹にすえていきます。


で、タイトルにある、「小規模農家の生きる道」とは。

わっかんね~~けど、私の出した一つの答えは。



面白い農家になる



10年前のインドへの旅の日記の最後のページに同じ言葉が書いてあった。

10年かかって一周したよ。お帰りオレ。