地域から出るバイオマスエネルギーを肥料にして有効利用していくということは、たいへん意義のあることだと思っています。
効率や、お金、時間のことを考えたら割に合っているのかどうか、おそらく資材屋さんからボカシ肥料を買った方が安いかもしれません。
なのになぜやるの?
と思われる方もいらっしゃると思いますが、それは社会のためさ!!なんていいうのは5%くらいしか思っていません。
ただ単に面白いからやっているというのが本当のところです。
半分が趣味です。娯楽です。息抜きです。
私が少し手を加えるだけで、目に見えない無数の微生物が活躍し、大きな有機物を、植物が吸収できるような小さな有機物に分解していく。
目には見えないけど、その過程が触った時の温度で、香りで体験できる。
この作業は有機農家の醍醐味ともいえるのではないでしょうか。
今回の作業ではボカシ肥を作りました。ボカシ肥とは窒素とリンを植物に効かせることを目的とした肥料で、そのままでは植物が吸収することのできない粗大な有機物を、微生物による分解を促して植物が吸収できる形にまで分解させたもののことです。
低温(60度くらい)で発酵させることでアンモニアの揮発を抑制してなるべく多くの窒素分をとどめておくように作ります。
原料はおからと米ぬかを使用しています。
その比率は今回は6:4くらい。ほんとうは1:1くらいにしようと思っていましたが、米ぬかの手配がそれしかできなかったので。
本当はただでも良いとのことですが、少しでもお金を払うことで「廃棄物」が「有価物」になり、廃棄物処理の資格が必要なくなるのです。
おからと米ぬかを畑に広げます。
上の写真の色とりどりの粒は廃棄クッキー。取引のある工場から、肥料にならないかと50kgばかり譲っていただいたものを試験的に混ぜました。ほとんどが小麦粉なのでよい資材になると思います。
このボカシ作成の一番のポイントは、水分量85%というおからと水分含有量15パーセントの米ぬかを混ぜていかにして水分含有量20%のボカシをつくるかということです。
私は畑に広げた資材をトラクターのロータリーで撹拌して好気発酵させその発酵熱で水分を飛ばすことにしました。 多少アンモニアが揮発してしまうのを覚悟でやりました。かなり熱が上がったのですが、発酵の初期段階でまだタンパク質がアンモニアにまで分解されていなかったからか、アンモニア臭は感じられませんでした。
朝一の撹拌で舞い立つ蒸気。酵母菌が発生しているのかパンのような香り。
2日に1回の撹拌で約1週間もすると水分がだいぶ抜けてきました。一握りを固めて、チョンと触って崩れる程度が含水量20%。大体の感覚ですがそのくらいがベストです。
成田の三里塚物産というラッキョウの漬物をやっている工場から譲っていただいた大樽(1㎥)に詰めて二次発酵。嫌気発酵させるために足で踏み固めながら、なるべく空気を入れないように詰めていきます。
このやり方は味噌仕込みのときとまったく同じで、それを参考にしました。
上からブルーシートをかけて雨水が入らないようにして完成!!
うまく嫌気発酵が進めばこの寒い時期だと2か月あれば完成します。
出来上がりが楽しみ!!
この間知り合いの中古農機屋から、このライムソワー3万円でどう?という打診が来ました。
動作は確認済みですが、ボディが錆びだらけ。
グラインダーかけて自分好みの色に塗っちゃえば大丈夫か。